ディーラーが使うモニター

銀行などのディーリンクールームにはたくさんのスクリーン(モニター)が備えられています。ディーラーたちはこのスクリーンを見ながら外貨売却や外貨購入を行うのです。
日本で最初に海外通信社のモニターが導入されたのは1970年代。それまでは、為替レートを確認する方法としてはブローカーに電話して確認する方法が取られていました。1980年代になると、家庭にモニターを設置するディーラーも現れました。


最初に家庭にモニターを取り付けたと言われているディーラーの話を紹介します。彼はモニターが家に来た最初の日、帰宅するやいなやテレビの横に置かれたモニターのスイッチをオンにしました。そして、妻と一緒に夕食をとりながら、テレビを見ていましたが、テレビの横にあるモニターには刻々と変わる為替レートが映し出され、彼の視線は釘付けでした。


その日から彼の家庭では、モニターはテレビと一緒に見るものとなり、帰りが遅くなった日は妻が為替レートの変動をメモして帰宅後に知らせるというルーティンが生まれました。
そのディーラーは夫婦の会話が増えたことに喜んでいましたが、数ヶ月が経つと彼は浮かない顔をしていました。なんと、妻が実家に帰ってしまったというのです。香港などの海外市場でポケットサイズのモニターが流行り始めたのは、これと同じころでした。


ある晩、香港の豪華なレストランでのと。ホストを務めた香港のディーラーは、食事と会話をしながらも頻繁に自分の手元に視線を落としていたといいます。どこか落ち着きがなく、食事会の参加者は不快感を抱きました。


しかし、参加者は食事会の終わりにポケットモニターのことを教えてもらい、ようやく納得がいったそうです。